私を好きすぎる完璧な彼氏ができました(ただし、セフレがいますが)

【書籍情報】

タイトル

私を好きすぎる完璧な彼氏ができました(ただし、セフレがいますが)

著者如月一花
イラストモルト
レーベルヘリアンサス文庫
価格150円+税
あらすじセフレに依存しているOLの結奈。ある日同僚の一宮からセックスなしの関係で付き合おうと告白され、強引に付き合うことになる。一宮はなんとかして振り向かせようとするが、しかし結奈はセフレとは関係が切れない。(毎月一話配信中)

【本文立ち読み】

私を好きすぎる完璧な彼氏ができました(ただし、セフレがいますが)Episode1
[著]如月一花
[イラスト]モルト

青天の霹靂とはこのことだろうか。
飲み会帰りの終電間際のホームで、同じ営業部の一宮理樹(いちみやりき)と他愛無い話をしていたら、告白されてしまった。
一宮は同じ営業部でも成績が良く、物腰が柔らかな対応をする人だった。
長身に甘えたような眼差し、そして人懐っこそうな雰囲気は真壁結奈(まかべゆな)も気に入っていた。
結奈は長い黒髪を下ろしていて、くりっとした目と透き通った肌が印象的だとよく言われる。いつもふわふわっとした服を好んで着ている。
一宮とは同僚であり、恋愛に発展するとは予想外で、嬉しさよりも困惑しかない。
彼から真剣な眼差しで見つめられ、返事を待たせてしまっている。
(彼氏……欲しいけど……でも……)
結奈は返事が出来ずにただ黙り込んでいた。
一宮のことは気になっていた。でも、恋よりも大事なことが結奈にはあったからだ。
すると、一宮が腕時計を気にし始める。
終電がもうなくなりそうなのだ。
「返事は明日でも。ゆっくり考えてください。今日はもう遅いので」
「あ、あの……」
(こういう時って……流れ的にホテル……行かないの?)
結奈は上目で一宮を見たが、彼はにっこり微笑むだけだ。
「いきなり告白してしまってすみません。遅くなると危ないですから」
「わ、私は、全然……この後も一緒でも……」
そっと上目で見つめて気を引いてみるが、彼はそのくらいでは揺らぎそうになかった。
「まだ付き合ってないですし、夜を一緒に過ごすなんて出来ません」
結奈にとっては、どん底に突き落とされるような気分だ。
自らホテルに行こうとアピールまでしているのに、一宮はぴくりともなびかない。
(私のこと好きなんだよね? 好きなのに、エッチしたくないの?)
結奈はそっと一宮に言った。
「今晩だけの付き合いでも、私はかまいません」
「何言ってるんですか。そういうつもりで告白したわけじゃありません。真壁さんのことを本気で好きなんです」
「は、はぁ……」
(エッチに興味ない人^!?^ それは困る!)
結奈は悶々としながら、一宮が何も行動しないことにイラつきすら覚えた。
しかし、この手の奥手の男性には何人か出会ったことがある。
結奈のことを呼び出しておいて、ホテルに向かうことになったら尻込みするタイプ。
一宮もどうせそうだろう。
(好きなのにエッチしないで帰るなんて、絶対に嘘)
「じゃあ、開いてるお店に入ってお話しませんか?」
「いいですね。真壁さんは平気ですか?」
「平気です。一宮さんこそ、明日仕事ですし平気ですか?」
「ええ、もちろんです。真壁さんと喋れるの嬉しいな……」
一宮は恥ずかしそうに頬を染めるので、結奈は『なんで?』と思った。
(この人、私と話すだけで幸せとか。嘘でしょ?)
結奈は信じられないと思いながら、すぐにスマホで開いていそうな店を探した。
ちょうどよくバーが近くにあってすぐに一宮に知らせると、彼は幸せそうにする。
「真壁さんも、こういう店によく行きますか?」
「いえ……」
「じゃあ、遅くならない程度に飲みましょう」
(飲むだけ^!?^ エッチは?)
結奈は信じられないと思いながら、店に向かった。
真壁から告白されたことは嬉しいが、結奈の性欲事情を考えると上辺だけしか付き合えそうにない。
結奈は性欲が旺盛で、セフレと何人も付き合い自分の欲望にも従順だった。
そもそも、セフレがいる女を心底好きになる男なんて考えられない。
二人でバーの扉を開けると、中は薄暗くいい雰囲気だった。
結奈も高揚して下着がじわっと濡れていくのを感じる。
一宮と肌が時々ぶつかりどきどきしてくると、余計に蜜が溢れ出してしまう。
(あ~~、エッチ……したい。誰でもいいから……)
結奈たちはカウンターに腰掛けると、お互いにカクテルを頼み、会社でのことやお互いのことを話し始めた。
「あの、どうして私に告白を?」
「真壁さん、綺麗ですし、一緒に話してると楽しいですから。俺、気兼ねなく話せる女性って少なくて」
「一宮さん、女性と親しく話してるじゃないですか」
「仕事上とか上辺だけとかなら話せるんですけど。本気で楽しく話せる異性って中々いなくて」
「一宮さんって、発想が面白いから、私も気になって楽しく話してたんです。でも……告白されるとは思わなかったですけど」
結奈はクスッと微笑んでカクテルを飲んだ。
酒を飲めば余計に自分の性欲が増すが、美味しくて止められそうにない。
下着がぐっしょりと濡れて、思わず結奈はモジモジしてしまう。
すると真壁は真剣な表情で言う。
「真壁さんに彼氏がいないなんて信じられないです」
「私、あまり男性とのお付き合いが得意じゃないというか」
「俺はちゃんと真壁さんのこと受け止めますよ?」
一宮はカクテルを飲んで気分が大きくなっているのか、少し大袈裟なことを言っている気がした。
結奈のことを受け止めるなんて出来るとは思えない。
自分のことを全て知ったら、ドン引きして去るだろう。
「私、一宮さんとは友達の方がいいかもしれないです」
結奈はこの辺りで身を引こうと思った。
一宮の好意は嬉しいが、自分がまともに男性と付き合えるとは思えない。
そもそも、駅のホームでエッチの誘いに乗らないような男だ。
付き合ってもきっと結奈を満足させてくれないだろう。
そろそろ、セフレに連絡しないと、連絡が付かなくなる。
チラッと店の時計を見ると、夜中の十二時が迫っていた。
「どうしてそんなこと言うんですか?」
一宮が真剣に聞いてくるので、結奈は言った。
「私、セフレがいるんです」
「はい?」
「セフレ……。そういうの嫌ですよね?」
「俺と付き合っても、セフレとの関係が切れないってことですか?」
「中々切れないと思うんです……」
「俺じゃダメってことですか?」
一宮は悲しそうに項垂れた。
やはりセフレ持ちを告白したら、当然一宮も諦めるだろう。
「でも! もしかしたら、俺と付き合っているうちにセフレと切れませんか?」
「それは……ないです」
「それって、俺の魅力がないとか、夜の……」
「いえ……一宮さんのせいじゃなくて、私が悪いんです。いつも男性に触れられていないと、愛情を感じないというか」
「それなら俺が相手でも!」
「そういうんじゃないんです……」
結奈は飲みかけのカクテルを飲んだ。
一宮だけを相手にして、自分の枯渇した心が満たされるとは思えない。
(やっぱり、普通に付き合うのは無理だよね)
結奈がそっと財布を出し、一人会計を済まそうとした時だ。
「わかりました。俺と付き合って真壁さんを心から満足させます!」
「ですから……」
「付き合ってる時、俺は真壁さんとはセックスしません!」
「はい?」
「真壁さんが本気で俺のことを好きになるまで、俺は禁欲します!」
「ですから、私、セフレがいるような女なんですよ?」
「真壁さんがどんな理由でセフレがいるかわかりませんが、俺との付き合いは、肉体的な関係よりも、心の関係を大事に出来ればと思うんです」
「でも……」
「セフレとの関係が切れなくても、俺はかまいません」
結奈は頭を抱えた。
そこまで自分のことを好いてくれるのは嬉しいが、結奈にとっては困る。
(デートしてもエッチしないって、デートの意味ないし……)
「でも、そんなの私に都合良過ぎるじゃないですか。一宮さんには、もっと素敵な人がいると思うんですが」
「俺には真壁さんだって決めてるんです」
「そう……なんですか」
(一途っていうか。女見る目ないっていうか……)
結奈は呆れつつ、一宮の想いを振り切れそうになかった。
彼はどんなことをしてでも、自分と付き合いたいらしい。
そっと一宮は腕時計を見ると、にこりと微笑んだ。
「それじゃ、もう時間も遅いですし、返事はまた今度で。ゆっくりデートしながら仲良くなっていきませんか?」
「……わかりました」
「連絡先、交換しても」
一宮に言われてスマホを出して連絡先を交換する。
セフレから連絡は何もない。
途端に結奈は孤独に突き落とされた気がした。
(結局……セフレは私のこと必要としてくれないんだよね……一宮さんは、こんなに私のこと好きだって言ってくれるのに……)
結奈は結局、一宮の押しに負けてしまっている気がした。
(エッチのないお付き合いか……でもセフレはいてもいいんだし。一宮さんのことは前から気になってたし……)
結奈はスマホをバッグにしまうと、一宮に言った。
「ちょっと戸惑ってますけど、付き合ってもいいかもしれないです」
「え? 本当ですか?」
「一宮さんのこと、気になってたので」
「嬉しいです! じゃあ、デートの約束しましょうか?」
「あ……それは、まだ。予定が……」
結奈はセフレとの予定を考えて、一宮とのデートの予定を入れることを躊躇った。
「すみません。先走って。嬉しくて。でも、これから真壁さんと付き合えると思うと。大事にします」
「ありがとうございます……」
(エッチはしない人だけど……)
結奈はため息を我慢すると、一宮が時計をまた見た。
「もう帰りましょうか。遅くなると危ないですし」
「……一宮さんのお部屋に……は?」
「体の関係はなく、俺との関係を深める約束ですよね? 他の男と俺は違うので」
「そう、ですよね」
結奈はがっくりすると、二人で会計を済ませて店を出た。

【続きは製品でお楽しみください】

【シリーズ続話】

私を好きすぎる完璧な彼氏ができました(ただし、セフレがいますが)Episode2 

私を好きすぎる完璧な彼氏ができました(ただし、セフレがいますが)Episode3 

私を好きすぎる完璧な彼氏ができました(ただし、セフレがいますが)Episode4 

私を好きすぎる完璧な彼氏ができました(ただし、セフレがいますが)Episode5 

 

私を好きすぎる完璧な彼氏ができました(ただし、セフレがいますが)Episode6 

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